http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo151.htm
特別会計見直し本格化
◆無駄遣いにメス “連結”決算導入
2005年度予算編成に向け、「特別会計」の見直し作業が本格化する。経済財政諮問会議は、それぞれの特別会計を所管する省庁に改革案づくりを課した。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、民間企業の会計手法を取り入れるよう求めている。こうした見直しで、特別会計の無駄遣いを無くすことができるだろうか。(加藤 弘之)
■特別会計とは
国の予算には、教育費や防衛費など政策経費を扱う一般会計のほかに、厚生保険特別会計や道路整備特別会計など計31の特別会計(特会)がある。
予算は本来、一般会計で一体的に管理することが望ましいが、国が保険など特定の事業を行う場合、事業ごとの収支を明確にするため、財政法で例外的に、一般会計と区分した特会の設置が認められている。
特会は、国民の「受益と負担」との関係を分かりやすくし、弾力的かつ効率的に予算執行するのが本来の趣旨だ。
しかし、実際には、31特会の予算規模はあわせて387兆円、特会同士の重複部分などを除いても207兆円にのぼり、例外のはずの特会が、一般会計の5倍近い規模に膨らんでいる。さらに、特会の収入のうちの47兆円は、一般会計からの繰り入れでまかなわれ、一般会計歳出の6割近くを使っている。
■既得権益の温床
ここまで肥大化したにもかかわらず、特会の資金はこれまであまり監視されてこなかった。
特会の資金は一般会計からの繰り入れや独自財源、民間からの借り入れなどが入り組んで出入りが分かりにくく、国会などでも追及しにくかった。社会保険料やガソリン税など特定の財源を持つ特会では、財務省も支出だけを減らせとは言いにくい。この結果、各特会を所管する官庁が自分の財布のように自由に予算を使い、特会は各省庁や族議員の既得権益の温床になってしまった。
厚生保険特会や国民年金特会では、巨額の予算が不採算の保養施設「グリーンピア」の建設や、特殊法人や関係団体に天下った厚生労働省OBの高額の報酬などに使われていることが判明した。「母屋(一般会計)でおかゆを食っているのに、離れ(特会)で子どもがすき焼きを食っている」(塩川前財務相)ひどい例は、他の特会にも数多い。
今年度予算編成では、財務省が特会の事業の見直しを進め、5000億円以上の実質削減につなげた。
■2年目の改革
財務省は見直し2年目となる2005年度予算編成でも、予算執行調査などで無駄遣いの洗い出しをさらに進める方針だ。
一方、経済財政諮問会議は、関係省庁が成果目標と中期的な歳出抑制目標、達成時期を盛り込んだ改革案を年内に策定するよう求めた。特に、各種の保険事業については、廃止を含めた検討を求めている。改革案と毎年の実施状況も報告させることにした。
各省庁には、もう1つ宿題が課せられた。財政制度等審議会は17日、省庁別に財務書類をつくるための作成基準を発表し、9月をめどに、一般会計と特別会計を合わせた2002年度分の財務諸表をつくり、来年春には、さらに特殊法人も加えた2003年度分を公表するよう求めた。
閉鎖されたグリーンピア指宿(鹿児島県指宿市)。特別会計で行われたグリーンピア建設では多くの無駄遣いが指摘された
◆「特会とばし」「隠れ借金」…あぶり出す
■国民の監視
企業の決算では、グループ全体の業績を示す連結決算が主流となっている。連結決算ならば、グループ内の一部の企業に損失を隠すなどして、業績をごまかすことができないからだ。
国もこの手法を導入し、省庁ごとに一般会計と特会をあわせて複雑な資金の流れを整理し、資産と負債の状況などをはっきりさせることにした。一般会計では予算をつけにくい案件を特会に回して、財政融資資金で手当てする「特会とばし」「財政融資とばし」や、民間からの借り入れによって不足を手当てする「隠れ借金」などをあぶり出す狙いがある。2005年度決算の連結財務諸表ができるのはまだ先だが、ずさんな実態が明らかになれば、予算編成作業にも反映できる。
新手法は、財務省だけが予算削減を求めるのではなく、情報を透明化して、各省庁に自己改革を促す手法をとっている。財務省は「情報が明らかになれば、中途半端な改革案は世論の集中砲火をあびる」(財務省幹部)と、国民が無駄遣いを許さないよう監視の目を光らせることで、新手法が改革の突破口となることを期待している。
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2007年6月29日のアーカイブ
http://www.asahi.com/national/update/0629/TKY200706280421.html?ref=rss
親密に「裏ビジネス」 緒方元長官と満井元社長
2007年06月29日02時57分
朝鮮総連中央本部が入る建物・土地の登記移転をめぐり、公安調査庁の元長官・緒方重威(しげたけ)容疑者(73)が詐欺の疑いで逮捕された。事件の背景には、住宅金融専門会社(住専)の大口融資先だった不動産会社の元社長・満井忠男容疑者(73)との不可解な関係が浮かび上がる。満井元社長はバブル後も「裏ビジネス」の世界で暗躍、緒方元長官を引き込んで再開発や投資話に関与していた。
東京・六本木の中心部にある通称「TSKビル」。70年代前半、暴力団組長(故人)らが設立した。約1200坪の敷地に、複数のビルが立ち並び、高級クラブやレストラン、マンションなどがあった。現在は老朽化が激しく「幽霊ビル」とも呼ばれている。権利関係が複雑で、超一等地にありながら再開発が難航している。不動産業界では知られた物件だ。
緒方元長官と満井元社長の関係を知る関係者によると、このビルの立ち退き交渉や所有権の移転に満井元社長は数年前から携わっていた。近年になって緒方元長官も加わったという。転売を巡って取引に関与した都内の不動産業者が、緒方元長官らに「数億円をだまし取られた」として、東京地検に被害を訴えている。
2人が出会ったのは98年という。満井元社長がこの年に強制執行妨害容疑で逮捕された際、緒方元長官が弁護人を引き受けたことがきっかけで親交を結ぶようになった。その後、元社長の会社の土地売却などで、2人は仕事をともにすることが多くなったという。
2人の親密さが最初に明るみに出たのは03年。他人に買い取られていた元社長の東京都世田谷区内の自宅を、緒方元長官が親族会社の名義で買い戻した。この際、緒方元長官側はこの物件を担保に4億円を超える借金をしているとみられる。
元社長への肩入れについて緒方元長官は「法律相談に来た人以上に親密で、家族ぐるみの付き合い」と説明する。さらに「ただのブローカーではなく信念を持って立ち向かっていく人」と評価し、「窮地を救ってやろうと思った」という。
2人の「ビジネス」は、別の出資話でも展開された。2人が05年にかかわりを持った都内の商社の元代表によると、2人が当時、「米金融機関の巨額の預金証書を担保に資金調達をする」といった話をしていたという。複数の関係者が「証書は偽物だったはず」と話している。
また満井元社長から「農協の億単位の手形があるから、これで会社の運転資金を作ったらどうか」と持ちかけられたこともあったという。元代表は「すぐに危ない話だと分かったので断った」という。その農協はすでに破綻(はたん)していた。
満井元社長はもともとこの商社関係者と親交があったが、緒方元長官はこの時期、満井元社長の仲介で会社の一室を事務所として使っていた。
また、「2人は都内の医療機器製造会社の経営にもかかわっていた」と関係者は話す。信用調査会社によると、緒方元長官はこの会社の大株主になっている。
満井元社長に誘われ、緒方元長官は何度か一緒に韓国などの海外へ旅行していたという。「要は満井元社長に取り込まれたということ。元社長は、商売を続ける上で緒方元長官の名前を大いに活用したはずだ」と関係者はみる。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070629k0000m040142000c.html
朝鮮総連仮装売買:表の緒方、裏の満井 二人三脚で…
28日午前9時過ぎ、東京都目黒区柿の木坂の高級住宅街。紺のスーツ姿で自宅を出た元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)容疑者(73)の表情は暗く沈んでいた。「4億8400万円の受領書が押収された」。不透明な金銭授受を指摘した毎日新聞の報道を確認しようと集まった約10人の報道陣に、無表情のまま「ない」「知らない」とだけ話し、タクシーに乗り込んだ。詐欺容疑の逮捕状が執行されたのは、午後3時45分だった。
15日前の会見では、笑顔さえ見せていた。朝鮮総連中央本部の所有権を自社名義に移した理由を「『整理回収機構との裁判に負けると、在日(朝鮮人)の権利擁護の拠点がなくなる』と相談を受け、琴線に触れた」と説明。古巣の法務・検察内部や与党から巻き起こる激しい批判に「大義名分」で対抗してみせた。
■一見奇妙な組み合わせ■
検事長も経験した緒方元長官とバブル期に「業界有数の地上げ屋」とまで呼ばれた満井忠男容疑者(73)。一見奇妙な組み合わせは、9年前までさかのぼる。
98年3月、満井容疑者は自身が経営する不動産会社「三正」=破産=を巡る債権回収を妨害したとして、強制執行妨害容疑などで逮捕された。この時の弁護人が、退官し弁護士登録したばかりの緒方元長官だった。
依頼者と弁護人。2人の関係はその枠にとどまらなかった。
2年ほど前、港区虎ノ門の雑居ビル4階にある緒方重威法律事務所を、都内の元会社役員が訪れた。案件は暴力団関係者も絡む、いわくつきの不動産取引。緒方元長官はこの場で満井容疑者を「信用できるパートナー」と持ち上げ、満井容疑者も「緒方さんは大先生。いざとなったら検察を動かしてでもうまくやる」と太鼓判を押した。結局、2人の関係会社を取引に絡ませる仕組みを作り数億円を得たという。
「満井が緒方というびょうぶを使って地上げをやっている」。元役員の目にはそう映った。
■1億円の報酬を受領■
5月26日、緒方元長官が「出資者」と呼んだ航空ベンチャー会社社長(41)が東京・八重洲のJR東京駅構内の喫茶店に現れた。
緒方元長官「総連が売却されると、在日の人たちが棄民になる」
河江浩司容疑者「私もアメリカで差別を受けた。弱者についてはよく分かる」
緒方元長官と初対面だった社長は突然、35億円の出資を求められ「無理」と断り「新幹線の時間がある」と席を立った。
会合はわずか10分。しかし、緒方元長官は今月18日の記者会見で「1時間くらい話し合った。『35億円は準備できる』と言われ頼もしく大丈夫と思った」と語った。
この時、既に満井容疑者から1億円の報酬を受領していた緒方元長官。かつて同僚だった元検察首脳は吐き捨てるように言った。
「総連との取引は立場上許されないと思っていたが『在日のため』という言葉だけは信じていた。しかし、結局はカネ。汚れきっている」
◇ ◇
公安調査庁のトップを務めた緒方元長官が28日、東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。転落の軌跡を追った。
毎日新聞 2007年6月29日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070629k0000m040143000c.html
朝鮮総連仮装売買:「35億円一言も言ってない」
「35億円出すなんて一言も言ってない」。緒方元長官から出資予定者に仕立て上げられた航空ベンチャー会社社長(41)が28日、問題発覚後初めて毎日新聞の単独インタビューに応じた。
社長によると、朝鮮総連中央本部の売却計画を河江浩司容疑者(42)から聞かされたのは5月ごろ。緒方元長官らの意向を受け、河江容疑者が資金の調達役として、出資予定者を探しているという説明だった。それ以前に、緒方元長官らは複数の人に打診していたが、頓挫。急きょ浮上したのが、河江容疑者と旧知の社長だった。しかし、社長は河江容疑者に「不動産取引には興味はない、とはっきり断った」と言う。
5月26日、JR東京駅で初めて緒方元長官と面会したが、河江容疑者と2人で会うという約束で「同席することは聞かされていなかった」。「不愉快な気持ち」になって名刺は渡さず、下の名前も明かさなかった。出資の話もほとんど出なかったという。
ところが6月18日、緒方元長官の会見の中で、自分の名前が「35億円の出資を約束した人物」として公にされた。緒方元長官が「60億円のファンドを動かす人物」と語った点については「言えない」と言葉を濁すが、事件については「断った話なのに突然『出資予定者』にされて驚いた。何で自分の名前が、という気持ち」と不快感をあらわにした。【三木陽介、加藤隆寛】
毎日新聞 2007年6月29日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070625k0000e040072000c.html
朝鮮総連仮装売買:元々資金不足…33億円超の賠償命令
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物を巡る仮装売買事件で、出資予定者とされた男性(41)が詐欺的な事業計画で資金を集め、東京地裁で1100万円の賠償命令を受けていたことが分かった。総連と緒方重威(しげたけ)・元公安調査庁長官(73)の仲介役とされる元不動産会社社長(73)や資金調達役の元銀行員(42)の経営会社分を合わせると、敗訴で支払いを命じられた総額は4件で約33億7300万円に達する。緒方氏の周辺グループが元々資金力不足だった疑いが濃厚になった。
問題の不動産取引は、緒方氏が社長を務める「ハーベスト投資顧問」(東京都目黒区)が総連側から中央本部を買い取るもの。購入代金の35億円をグループの力で集めるとしてきたが、計画に実現性がなかった疑いが強いとして、東京地検特捜部が電磁的公正証書原本不実記録などの容疑で実態解明を進めている。
出資予定者とされる男性は、岐阜県出身の航空ベンチャー会社社長。社長は、農事組合法人元会長=2月に東京地検が詐欺容疑で逮捕・起訴=ら11人とともに、都内の健康用品販売会社に訴訟を起こされ、東京地裁で昨年7月、請求のほぼ全額に当たる約1100万円の支払いを命じられた。判決は「社長らが持ち掛けた事業は当初から実現不可能。詐欺的で集めた資金8800万円の多くが使途不明」と指摘した。社長側の弁護士は「当時600万円しか用意できず和解できなかった。敗訴確定後も賠償額分を支払ったとは聞いていない」と話す。
一方、仲介役で取引を考案した元不動産会社社長は99年と01年、整理回収機構から2件の債権請求訴訟を起こされ、同地裁で計33億6000万円の支払い命令を受けた。これに先立つ98年9月には強制執行妨害罪などで懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受け、会社は04年9月に破産宣告。元社長も05年10月に破産手続きが終了した。
さらに、資金調達役で投資コンサルタントの元銀行員が経営する会社は「高級外国車を購入する契約を交わしたのに代金を払わない」として自動車販売会社から賠償請求され、同地裁から昨年6月、234万円の支払い命令を受けた。
◇元不動産会社社長に4億8400万円
総連側の代理人、土屋公献(こうけん)・元日本弁護士連合会会長(84)らによると、今回の取引を巡っては今年4月半ば、総連側から元不動産会社社長に4億8400万円が支払われた。内訳は▽家賃相当額(所有権を緒方氏側に移転後も、総連側が使用を続けるために支払う損害金)3億5000万円▽固定資産税4200万円▽緒方氏への謝礼1000万円など。元不動産会社社長は、うち2億円を返金したとされる。
緒方氏は謝礼について、18日の会見で「寝耳に水」と説明するなど、今回の取引を巡る金銭の受領を否定している。一方、緒方氏や代理人によると、1年以上前の別の取引を巡っては、元不動産会社社長から1億円を受領したことがあるという。
毎日新聞 2007年6月25日 15時00分