悪質“上意下達”を徹底 林道談合で緑資源機構理事ら逮捕
5月25日8時0分配信 産経新聞
■天下り媒介 なれ合い構図
24日、東京地検が担当理事らの逮捕に踏み切った緑資源機構をめぐる官製談合事件は、過去の談合事件と比較して官側主導の色彩が極めて強く、官から民への“上意下達”が徹底された強固なシステム構造が確立されていた。背景を探ると、天下り先を確保したい機構と安定受注したい公益法人という業界の“なれあい体質”が浮き彫りとなる。
緑資源機構の森林業務担当理事の高木宗男容疑者(59)は毎年度末、林道企画課長の下沖常男容疑者(56)に、翌年度発注予定の林道整備の測量・調査業務について、落札予定業者を事前に決めるよう指示。下沖容疑者は、北は北海道、南は宮崎まである全国8地方建設部の林道課長に、業者の要望を取りまとめさせた上、過去の受注実績などを考慮して落札予定業者を決めていた。
高木容疑者は、下沖容疑者から報告を受けて了承。年度初めに、8地方建設部の林道課長らが集まる全国会議で最終確認が行われ、各林道課長が結果を持ち帰り、落札予定業者に伝えていた。落札予定業者は、林道課長から入札額に近い金額を教えてもらうなどし、ほかの入札参加業者に、より高い金額で応札するよう連絡していた。
業者側の要望はある程度反映されたが、希望しない仕事を割り振られることもあったといい、それでも業者側は従わざるを得なかった。また、談合破りをした業者は設計図に難癖をつけられるなど機構側から露骨な“嫌がらせ”を受けた、と証言する業者もいる。
このように今回の談合事件は、高木容疑者を頂点に、機構側が発注者の優位性を存分に発揮して一方的に談合を主導する上意下達の談合システムで、一般的な談合事件でみられる業者側の「仕切り役」は存在しなかった。
ある検察幹部は「官側が一方的に仕事を配分しており、これほど強い官製談合はない」とあきれる。公取委幹部も「まるで日常の仕事のような感覚で談合を半ば公然と行っていた」と、その悪質性の強さを指摘する。
◇
こうしたシステムが約10年にもわたって続いてきた背景には、天下りを媒介として発注側と受注側がなれ合う癒着の構図がある。高木容疑者らは、林野庁や機構OBの天下り受け入れ状況を考慮し、受注予定業者を決め、談合を主導することで天下り先を確保していた。林野庁→公益法人→民間業者という天下りの「渡り鳥」で、退職金も合わせ1億数千万円を手にした者もいる。
林野OB数人を抱えている民間業者は「受注増を期待し採用した」と官業癒着につかっていたことを明かす一方、「その分の人件費は相当負担」と本音ものぞかせた。
「ぬれ手でアワ」だったのが告発された森公弘済会だ。同弘済会の常勤役職員17人中、16人が機構と林野庁からの天下り。その分、機構側も優遇し、容疑の平成17~18年度に計約2億6000万円分を受注した。大半が丸投げで、何もせずにマージンとして受注額の10~20%を得ていた。機構側は丸投げを黙認。丸投げを請け負っていた民間業者は「赤字覚悟で丸投げを受けたのは、機構によく思われたいから。森公弘済会は機構と関係が深く、断れない」と話す。
公取委関係者は「機構は身内に税金が回るようなシステムを築いていた」と指摘している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000000-san-soci
最終更新:5月25日8時0分
産経新聞
緑資源機構、別の2事業でも大型談合…一両日中に捜索
5月25日3時6分配信 読売新聞
独立行政法人「緑資源機構」(川崎市)の林道測量コンサルタント業務を巡る官製談合事件で、東京地検特捜部は24日、談合を主導した機構の理事・高木宗男容疑者(59)(24日解任)ら6人を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で逮捕した。
一方、熊本、島根両県で実施している別の事業でも機構主導で官製談合を繰り返していた疑惑が、新たに浮上。いずれも総事業費100億円超の大規模プロジェクトで、特捜部もこの事実を把握しており、一両日中に、事業を管轄する出先機関の九州整備局(福岡市)や宮崎、松江両地方建設部の一斉捜索に乗り出す。
この事業は、森林や田畑が混在する地域(中山間地域)の農林業振興などを目的とした「特定中山間保全整備事業」で、主に森林整備と農用地整備に分かれる。事業計画は農林水産省が採択し、各工事費の55~100%が国の補助金として支給される助成事業。個別の工事費は数千万~約2億円で、大半の工事は地元業者が受注している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000001-yom-soci
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